そもそも赤ちゃんにおもちゃは必要?与えることの効果って?
結論から言うと、赤ちゃんにおもちゃは大切です。赤ちゃんにとって遊ぶことはお仕事なのです。遊びを通して学んだり、様々な能力が発達したりすることがたくさんあります。
指先を使う積み木やブロックなどでは集中力や想像力が養われ、ママやお友達と楽しむごっこ遊びでは様々な立場に立って役を演じることにより、相手の気持ちを理解する能力(コミュニケーション能力)が育まれることでしょう。
また、大人からみるといわゆる「おもちゃ」に見えないものも子どもにとっては、おもちゃと同じような存在になるものがあります。例えば、赤ちゃんにとって自分の手はよいおもちゃです。第二の脳とも呼ばれる自分の手を見たり、しゃぶったりして脳に刺激を送っているのです。自然の中をただ歩くだけでも、五感や運動能力が鍛えられるよい遊びになるのです。
知育おもちゃで視覚や触覚の五感を育てる
小さい子どもには五感に様々な刺激を与えることが大切だといわれていますが、すべての感覚に一気に刺激を与えるのではなく、優先順位というか、順番のようなものがあるようです。まず最初に視覚を中心に刺激し、次に聴覚、その次に触覚、味覚、嗅覚が横並びとなり続きます。大人からすれば赤ちゃん用品は柔らかな色合いが好まれますが、最初は赤・青・黄の三原色を中心とした色合いのおもちゃを与えるとよいようです。聴覚は幼い頃によく発達する能力です。例えば絶対音感は4歳ころまでに身につけないとその後は身につけにくいといわれています。楽しんで楽器の練習をするのであれば、子どもにとっては遊びの一部といえるでしょう。
年齢に合ったおもちゃで遊びをサポート
子どもの年齢や発達状況に応じて、ちょうどよいおもちゃを選んであげるといいでしょう。ここでは0〜3歳までの年齢に合ったおもちゃを紹介したいと思います。
【0歳】
視覚を刺激することができる三原色がベースとなったおもちゃや、鈴やオルゴールなど聴覚を刺激するおもちゃがよいようです。口に入れても安心なおもちゃを選びましょう。
【1〜2歳】
手を使った動きが好きになります。それぞれの形に合わせた穴に入れていく立体パズルボックス、ルーピングと呼ばれる、木のビーズをつまんで動かすおもちゃなどが人気があります。
【2〜3歳】
雨の日でも身体を動かせるジャングルジムや、コミュニケーション能力を育むお人形やぬいぐるみもよいでしょう。
どんなおもちゃがいいの?オススメ人気おもちゃご紹介
▼生後0~2か月頃
視界がハッキリしてきて、あざやかな色や音に反応したり、動くものを目で追うようになるぼんやりとしか見えてなかった視界が、少しづつ見えてくる時期です。目の前でおもちゃを動かしてみて。反応してくれますよ♪
音が鳴ったりする仕掛けのある、あざやかな色合いの布絵本がオススメ。布絵本だと破れる心配がなく、舐めてもお手入れ簡単です。読み聞かせで、聴覚を刺激してあげましょう。
ERIC・CARLE エリック・カールはらぺこあおむし どこでもソフトブック
誰もが知っていると言ってもいいほど有名な絵本の布絵本版。持ち運びに便利なサイズです。
Lilliputiens(リリピュション)ブック/リトルラビット
凝っていて、楽しい仕掛けがいっぱい!こちらも持ち運びに便利なサイズです。
手を伸ばして、ものを掴もうとする目でものを追う「追視」ができるようになるのも、この時期。とはいえ、まだお座りや寝返りなどが出来ないので、日中はねんねの時間が多いです。
この時期は、ゆらゆら動いて赤ちゃんの興味を引く、モビールやベッドメリーがオススメ。頭上につるしてあげると、発育や寝かしつけに効果がありますよ。
ヘラー/HELLER(ドイツ) モビール ZOO
モビールを玩具のメーカーとして子どもの世界に最初に持ち込んだ、ヘラー社の木製モビール。空気の流れに乗ってゆっくりと動き、目で追うことで赤ちゃんの情緒が安定します。
ボーネルンド モビール
「デザインも大好きで、しかもしっかり役立つ」という、現実主義なパリジェンヌに最も選ばれている、ムーラン・ロティ社のモビール。優しいオルゴールの音色や、赤ちゃんを優しく見守る動物たちに癒されます。
▼生後3~5か月頃
首がすわってきて、視野が広がる視野が広がると、興味の対象が増えます。また、自分の意思で意味のない声(喃語)を発するようになります。喃語を発しながらおもちゃで遊んでいることも。そんな時はぜひ、語りかけてあげて、遊びながらコミュニケーションを楽しんでみてきださいね。
好奇心が強くなってきて、周囲のものを触ったり舐めたりするようになるとにかく好奇心旺盛で、周囲のものに関心を示します。赤ちゃんのそばに、触ったり、舐めるたりすると危険なものは置かないようにし、おもちゃは常に清潔な状態を心がけましょう。
この時期は、触ったり、握ると音が鳴る。感触が楽しめる。舐めても平気なおもちゃがオススメ。
キリンのソフィー
フランス人はソフィーと一緒に育つと言われているほど、フランスではポピュラーなおもちゃ。赤ちゃんの5感に働きかけます。舐めても安心な素材・製法で、お手入れも簡単。
くまのギャバン
ソフィーのお友達バージョン。ぜひ、ソフィーと一緒に揃えたいですよね。
生後6~8か月頃
寝返り、お座り、ハイハイをするようになり、行動範囲が広がる目まぐるしく世界観が広がる時期。広がっていく世界を楽しみながら、探究しています。ごっこ遊びなども好むようになります。
指を上手に使って、小さなものをつまめるようになる大きな声を出したり、笑ったり。自分の体を思い通りに動かせるようになってきます。指を使って遊べるおもちゃは、手先の発達をより促してくれます。
この時期は、片手で掴んだり、つまんだり、指を使って遊べるものがオススメ。気に入ると繰り返し遊ぶようになるので、赤ちゃんが持ち運びしやすいものがいいですね。
ツイン・ラトル
不思議で面白い動きをするラトル。きっと赤ちゃんは夢中に!その独特の形は、自然と両手で持つよう促してくれます。歯固めとしても使えます。
アニマルボーリング
お人形遊びもできる、振ると音のなる愛らしい動物たちのピンとボールのセット。赤ちゃんから5歳くらいまで使えそうです。
生後9~11か月頃
つかまり立ちや伝い歩きができるようになる赤ちゃんの世界観が劇的に変化する時期。立ったまま遊べるおもちゃだと、喜んでくれますよ。
複雑に指先を動かせるようになる指先も更に発達して、上手に動かせるようになり、仕掛けのあるおもちゃを好みます。器用になった反面、好奇心旺盛なので、いたずらすることも。うちの子どもは、目を離した隙にティッシュを箱からありったけ出してました~。しかし、これも成長の証!温かく見守ってあげてくださいね。
ママやパパの言葉をある程度理解できるようになる「これとって」と言うと持ってきたり、取って欲しいものを「あー」などと発声しながら指さしたりなど、ある程度言葉を理解したり、意思を伝える発声ができるようになります。また、喃語が少なくなって、マンマー(ママ)など、何を伝えたいのか何となく理解できる赤ちゃん言葉を話すようになります。
ママやパパの動きをマネするようになるいないいないばあ!を喜んで一緒にしたり、「いただきます」や「ごちそうさま」の時に手を合わせたりと、ママやパパの動きを見てマネするようになります。
この時期は、指先を使える・”ごっこ遊び”ができる・パパ、ママと一緒に遊べるおもちゃがオススメ。
たのしく知育! やみつきボックス
6つの面に20の仕掛け、そして35個の知育の刺激は、赤ちゃんの視覚・聴覚・触覚の発達を促します。盛りだくさんな内容なので、きっと集中して遊んでくれるはず!
ステラちゃん
抱っこするとリアルな重みを感じる、柔らかく肌触りの良いお人形。赤ちゃんを卒業して、お世話遊びをしたがる時期に。優しさや想像力を育んでくれます。
1歳~2歳頃
記憶力や想像力がついてくる一人遊びが上手にできるようになったり、知育玩具を使って記憶力・想像力を表現できるようになります。
この時期は、記憶力や想像力を育む、積み木がオススメ。
SOUNDブロックスLarge
音が鳴るちょっと珍しい楽しい積み木。全てのブロックが面取りしてあったり、舐めても安全な素材を使っているので安心して遊ばせられます。デザイン性も高く、長い期間遊んでくれそう。
オリジナル積み木 カラー【積み木のほん付】
ザ・王道な積み木。厳選された素材、正確な面取り、美しい色彩。まさに世代を超えて楽しめる逸品です。
活発に動くようになり、更に遊びの幅が広がるおままごとやブロック遊びなどの室内遊びの他、公園でのボール遊び、三輪車に乗ったりなど、体を動かす遊びを好むようになります。
この時期は、体を動かすことが出来るおもちゃがオススメ。
ペリカンデザイン 三輪車
丸いハンドルが特徴的。乗りやすさに徹底してこだわって作られているそう。洗練されたデザインは、子どもたちに本当に美しいデザインを、との思いから考えつくされたもの。安全性も高く、成長に合わせてサドルを調整できるので、長い期間使用できます。
赤ちゃん言葉で、ある程度意味のある言葉を話すようになる1歳~1歳5か月頃、ブーブー(車)クック(靴)など、ある程度意味のある赤ちゃん言葉を話すようになります。1歳6か月~1歳11か月頃には、「それ、食べる」など、2語文を話せる赤ちゃんもいて、コミュニケーションがより豊かに。そして、2歳を過ぎる頃には、2語文を話せる赤ちゃんが増えてきます。また、2歳頃は自我が芽生え、何でもイヤ!なイヤイヤ期のピークと言われています。不安になるかと思いますが、コミュニケーションをとれるおもちゃを取り入れながら、気長に落ち着くのを待ってあげたいものです。
ペチャット
このスピーカーをぬいぐるみに着けると、まるでぬいぐるみがお喋りしたり、歌ったりしているかのよう。コミュニケーション能力や創造力・想像力を高める効果が期待できます。
キッチンセンター
おままごとなどの「ごっこ遊び」に。とても盛りだくさんなセット内容なので、お友達や家族と楽しめますね。カラフルで、デザイン性が高いのもgood。耐熱温度は80℃なので、実際にお食事を乗せることだってできます!
おもちゃが多いとマイナスになる影響とは?
物を大切にする気持ちが育ちにくい
おもちゃがたくさんあると「別になくなってしまっても構わない」「また買ってもらえばいいや」というように考えるようになってしまう子もいるようです。
「欲しい」といったものがなんでも手に入ってしまう環境では、物やお金の価値について考える機会が少なくなってしまうことでしょう。「親にいえばなんでも買ってもらえる」「別に働かなくても生活に困ることはない」などといった考え方が芽生え、将来自立した人間として育つことが難しくなってしまうこともあるようです。
自主性や創造性が芽生えにくくなりやすい
おもちゃがない状態では「ごっこ遊びを楽しむためには何が必要なのか」「自分が想像したおもちゃを作るにはどうしたいいのか」など自然に自分で考えるようになります。その結果、自主性や創造性が育まれていくのです。
また、キャラクター商品は子どもたちに人気がありますが、キャラクターや印象深い顔立ちの人形などもないほうがよいといった意見もあります。キャラクターなどが描かれていないおもちゃで遊べば、子どもたちはより想像力を働かせて遊ぶことができるでしょう。
集中力や忍耐力が身に着きにくい
部屋中にたくさんのおもちゃが置かれた状態では、子どもだけではなく、大人でも目移りしてしまいますよね。おもちゃがたくさんある場合、子どもの発達やそのときの興味に合わせてママがセレクトしたものを数点だけおもちゃ箱に入れておくのもいいでしょう。
また、欲しいといえばなんでも買ってもらえるという状況では忍耐力を身につけることも難しくなってしまいます。
おもちゃのルールを決めましょう
これまでおもちゃが与える影響を紹介してきましたが、悪影響を防ぐためにルールを決めてみるといいと思います。それではどんなルールがいいのか。
おもちゃを与えるタイミングを決める
誕生日やクリスマスといった特別なときではなくても、おもちゃを買ってあげることがありませんか?おじいちゃんやおばあちゃんの家に遊びに行ったときに買ってもらったり、トミカやレゴブロックなど、コレクションしたくなるようなおもちゃはついつい買ってあげてしまうこともあるでしょう。
しかし、おもちゃを少しでも少なくしたいと考えるのなら、特に決まりもなくおもちゃを与え続けるのはやめましょう。クリスマスと誕生日だけ。それにプラスして子どもの日など各家庭でルールを決めてしまうとよいですよ。
子どもが「欲しい」といっても「じゃあそれを誕生日プレゼントにしようね」などと、子どもや親の衝動買いを防ぐことができます。
おもちゃのバランスと適正量
おもちゃには使い方を想像して使う積み木、ごっこ遊びの手助けとなるおままごとセット、ボタンを押すと音が出るおもちゃなど様々なものがあります。
子どもに与えるバランスは、使い方が限定されおらず「こうしてみよう」などと創意工夫ができるおもちゃをメインにおき、ボタンを押すと音がでるといった、使い方をおもちゃの方が限定してしまうようなおもちゃをサブとして考えるとよいようです。
適正量は子どもが把握でき、簡単にお片付けできるくらいの量がよいでしょう。収納ケースにおもちゃが収まらなくなってきたら、おもちゃの処分を考えるよいタイミングです。自分の意思を伝えられるようになっている子であれば、なるべく一緒におもちゃの選別を行いましょう。
最も大切なことは、大人の愛情ある交流
どんなに知育に優れているといわれているおもちゃや、高価なおもちゃを与えたとしても、大人の愛情ある交流がなければ、十分に真価を発揮することができません。
子どもの脳を発達させるためにも、愛情が重要な働きをしているといわれています。幼少期の経験が大きくなってからの行動や脳の発達にどう影響するのかを研究してきたチャールズ・ネルソンは、幼少期に周りの人たちから愛情をもって、手をかけられて育った子どもほど、健康でクリエイティブな大人になる可能性が高いといっています。
たとえ紙切れ一枚でも愛情を注ぎ、一緒になって遊んでくれるパパやママが側にいれば子どもは大きな満足感を得ることができるでしょう。子どもは満たされることでのびのびと育っていくともいわれています。