汗っかきで体温調節が苦手な赤ちゃんには、肌着が必須アイテムです。
肌着は生まれてきた赤ちゃんが最初に体にまとうものなので、出産前に準備しておいた方が安心ですね。
寝ている時間も多い赤ちゃんの肌着は、前開きのものが着せやすく使いやすいと思います。
種類は、短肌着・長袖の長肌着・コンビ肌着と様々で、サイズは50、60、70、80等、主に10センチ刻み。
また素材は、メッシュやガーゼ、パイル、スムースなどがあり、春夏秋冬それぞれの時期に適して選ぶ必要があります。
このように多種多様なだけに、初めての赤ちゃんの場合には、一体何枚くらい必要なのか、いつからいつまで使えるのかなど、なかなか選ぶことが難しいのでは?
そこで今回は、肌着の違いや選び方、季節ごとの着せ方、必要な枚数なども説明していきたいと思います!
▼そもそも肌着とは?
赤ちゃんの肌に直接着させる「肌着」は、汗取りと体温調節を行う下着の一種。
赤ちゃんは体はとても小さいのに、汗を分泌する「汗腺」が、なんと大人とほぼ同じ数あるといわれています。
そのため肌着は、汗っかきな赤ちゃんの汗をしっかり吸い取り、汗が蒸発するとき、肌の表面温度を奪われて体が冷えないよう体温調節を行う働きを担っています。
基本的に年中通して着るものであるため、季節によって素材を使い分けたり、成長に合わせて着せやすい形を選んだりしながら、赤ちゃんに着せるようにしましょう。
肌着は赤ちゃんの肌に直接触れるため、デリケートな赤ちゃんの肌にやさしい素材のものが多いのが特徴。
さらに肌に刺激を与えないようにと、縫しろを外側にして縫製された肌着もあります。
肌着の形は大きく分けて4種類あり、成長に合わせて使い分けを行います。
新生児の頃は寝かせた状態でも着脱しやすい前開きの肌着を使うのが一般的。
その後、成長に合わせて、頭からかぶる肌着へと徐々に移行していきます。
▼ウェアとは?
ウェアは肌着の上に着る洋服感覚のアイテムです。
基本的にトップスとボトムスがつながった形状をしています。
形は3種類あり、丈の長さや着こなし方によってデザインが異なるのが特徴です。
低月齢の頃は、トップスとボトムスがつながったつなぎタイプのウェアが主流ですが、成長するにしたがって、トップス感覚で着られる丈の短いものへと移行していきます。
ウェアは形によって使用する期間は異なりますが、丈の長いものは生後7ヶ月まで、股下丈のものは最長2歳頃まで使うこともあります。
月齢が小さいうちは、肌着と同様に寝かせたまま着せたり、脱がせたりしやすい前開きタイプがおすすめです。
肌着の上にアウターでもあるため、適切に体温を行うために、季節に合わせた素材や生地の厚さを選ぶようにしましょう。
赤ちゃんの肌着の種類は?
短肌着、長肌着、コンビ肌着、ボディ肌着
生後3ヶ月までの肌着には短肌着、長肌着、コンビ肌着があります。
短肌着
丈が腰のあたりまでのもので、前開きになっているものがほとんどです。
赤ちゃんが自由に足を動かすことができるので、使い勝手がよく一年中フルに活躍してくれます。
長肌着
短肌着の丈をくるぶしまで伸ばしたような形をしています。
体をすっぽりカバーしてくれるので暖かく、冬場は重宝する上におむつも替えやすいものの、赤ちゃんが足を動かすようになると足に絡まったりはだけたりして使いづらくなります。
新生児の間にしか使わないので、初めから長肌着は用意せずにコンビ肌着で揃えておく方が経済的でもあります。
コンビ肌着
長肌着と同じ足まで包んでくれますが、足のところをスナップボタンで留めるとつなぎのような形になります。
赤ちゃんが足を動かすようになったら、足の動きにフィットしてはだけにくいコンビ肌着が快適になります。
ボディ肌着
股下をスナップボタンで留める「ボディ肌着」は、抱っこやおんぶをしてもお腹の部分がはだけにくいのが特徴。
ウェアの種類にある「ロンパース」と同じ形状をしていますが、ボディ肌着はロンパースに比べ、薄い生地で作られています。
早くて生後3ヶ月頃から使い始め、1歳半~2歳頃まで比較的長期間使い続けられるのもポイント。
形は、前開きのタイプと頭からかぶるタイプがあるため、成長に応じて着やすいタイプを選ぶとよいでしょう。
ボディ肌着の丈は、股下サイズのため、太ももから足先までが露出した状態になります。
そのためウェアを重ねて着せるのが一般的。
しかし、春夏の暖かい時期であれば、室内ならボディ肌着1枚にレッグウォーマーを着させたり、ズボンやかぼちゃパンツを合わせるケースが多いようです。
ボディ肌着の必要枚数は、季節問わず4~5枚くらいあると安心。
しかし、長期間着るため、形や素材など季節や成長に合わせたアイテムをそろえておくと、使い勝手が増しますよ。
ウェアの種類
肌着の上に着させるウェアにも、さまざまな種類があります。
それぞれ形状が異なるため、用途や成長に合わせて選ぶようにしましょう。
ツーウェイオール
文字通り2種類の使い方ができる上下つなぎのウェア。
股下のスナップボタンを外して使えばおむつ替えが多い時期に便利なスカート型に、ボタンを留めれば足をバタバタしてもはだけないズボン型として活用できます。
ツーウェイオールと似たアイテムで、上下がつながったワンピースのような形状の「ドレスオール」があります。
新生児期はおむつ替えがしやすく便利なウェアなのですが、赤ちゃんが足をバタバタ動かすようになるとめくれ上がってしまうため、生後2ヶ月頃までしか使えません。
そのため、ツーウェイオールで十分代用ができます。
ツーウェイオールの必要枚数は、どの季節の出産でも3~4枚ほど用意しておくとよいでしょう。
使用期間は新生児期から生後5~6ヶ月頃まで使えます。
カバーオール
トップスとズボンがつながった「つなぎスタイル」のウェア。
足首もしくは足先までをしっかり覆う形をしており、股の内側をスナップボタンで留める仕様になっています。
もともと股下が分かれたつくりになっているため、活発に動き始める生後3ヶ月頃から使い始めることが多いようです。
ツーウェイオールを卒業して、カバーオールを使い始めることもあれば、併用しながらサイズアウトするまで使い続けるケースもあるようです。
メーカーによっては、新生児期~生後3ヶ月に対応する50サイズのカバーオールも取り扱っているため、ママによっては早い段階からカバーオールを着せるケースもあるようです。
その後、Tシャツ&ズボンのようなセパレートタイプの着こなしに移行する生後7ヶ月頃のタイミングでカバーオールを卒業するのが一般的です。
形は、前開きタイプと、頭からかぶるタイプの2種類がありますが、一般的には着替えやすい前開きタイプが多く扱われています。
出産前に用意しておくカバーオールの必要枚数は、季節問わず1~2枚程度で十分です。
出産後、成長に合わせて買い足した方がサイズ選びにも間違いがなく、より効率的に購入できますよ。
ロンパース
ボディ肌着に似た形のウェアで、股下をスナップボタンで留めて着用します。ロンパースの特徴は、上下つなぎ感覚で着たり、トップス感覚どちらも楽しめることです。
生後5~6ヶ月頃になると、よりTシャツに近い感覚でズボンやレギンスなどのボトムスを合わせることが多くなります。
つなぎ感覚で着る場合は、成長にあわせてデザインも多彩に…。
女の子向けのロンパースなかにはスカート付きのものがあり、ワンピースのような着こなしもできます。
基本的には丈が股下までのものが「ロンパース」、それ以外のすその長いものを「カバーオール」と定義されることが一般的。
しかしメーカーによって表記や呼び名が異なることもあります。
ロンパースは、生後3ヶ月から2歳前後まで使うことができます。
一般的に、セパレートタイプの服に移行する1歳前後のタイミングで、肌着もボディ肌着からセパレートタイプのアイテムに買い替えるケースが多いようです。
しかしママによってはお腹がはだけてしまうのが気になって、2歳頃までロンパースを使い続けるということも少なくありません。
ロンパースは新生児期にすぐ使わないため、特に出産前から用意しておく必要はありません。赤ちゃんの成長にあわせて買い足していくことをおすすめします。
春夏秋冬、新生児服の季節ごとの着せ方
まだ体温調節機能が発達していない赤ちゃんは、服装で上手に体温を調節してあげることが必要です。
季節ごとの服の着せ方を紹介します。
春秋の服の着せ方
季節の変わり目のため、暖かい日と肌寒い日があったり、朝夕の寒暖差がある春秋の季節。簡単に着脱できて、体温調整ができるアイテムが重宝します。
・短肌着:5~6枚
・コンビ肌着:4~5枚
・長肌着:1~2枚
・ツーウェイオール:3~4枚
・カバーオール:1~2枚
・ベスト:1枚
基本は短肌着を使用するため、汗をかいたり、汚してしまったときなどの着替え用に短肌着は、5~6枚ほど用意しておきましょう。
コンビ肌着は、気温が高い時期でも1枚でも着られるため、4~5枚を始めに用意しておくとお世話もスムーズです。
長肌着は必須アイテムではありませんが、念のため寒さ対策として、1~2枚程度しておくのもおすすめです。
新生児期は、おでかけをする機会が少ないため、暖かい日であれば、室内では肌着を重ねて過ごしても問題ありません。
肌寒い日や外出する際は、ウェアが必要になるため、ツーウェイオールを3~4枚ほど用意しておきましょう。
カバーオールは、生後すぐは基本的に必要ありませんが、念のため、60サイズのものを1~2枚程度用意し、赤ちゃんの成長に合わせて買い足していきましょう。
カバーオールは、60サイズの冬用のものをとりあえず1~2枚用意しておくといいかもしれません。
そでを通さずサッとはおれるポンチョなどを1枚用意しておくと、寒い日のお出かけも快適です。
夏の服の着せ方
夏生まれの赤ちゃんは、とにかくよく汗をかくため、ほかの季節に比べて着替えの回数が増えます。
そのため、肌着は短肌着を5~6枚に加え、コンビ肌着も5~6枚ほど用意しておくと安心です。
・短肌着:5~6枚
・コンビ肌着:5~6枚
・長肌着:0~1枚
・ツーウェイオール:2~3枚
・カバーオール:1枚程度
コンビ肌着は、すそが足元まであり、ズボンのように着られるので、室内で過ごすときはコンビ肌着1枚だけも問題ありません。
そのため、夏場は特に使い勝手がよいため、夏生まれの赤ちゃんは少し多めに用意するのをおすすめします。
基本的に長肌着は、短肌着とコンビ肌着をメインで使用するため、あまり活躍の場はありません。
しかし、「短肌着は、お腹まわりの冷えが気になる」というママは、短肌着よりも長肌着をメインで使用したという意見もありました。
外出先で冷房が気になるようであれば、おくるみをかけたり、コットン素材やパイル生地のカーディガンを着せたりしましょう。
赤ちゃんを冷えから守るよう、体温調節ができるアイテムを用意しておくと便利ですよ。
室内で過ごすときは、夏場は肌着を重ねれば十分なため、ウェア類は少なめでも問題ありません。
ツーウェイオールは2~3枚程度用意しておいた方がよいですが、カバーオールは特に必須ではありません。
冬の服の着せ方
冬生まれの赤ちゃんは、1年で最も寒い季節を過ごすため、寒さ対策を十分に行う必要があります。
肌着は、短肌着+長肌着もしくはコンビ肌着を重ねて着せるようにしましょう。
・短肌着:5~6枚
・コンビ肌着:4~5枚
・長肌着:2~3枚
・ツーウェイオール:3~4枚
・カバーオール:1~2枚
・防寒着:1枚
ほかの季節ではあまり活躍の場が少ない長肌着も、赤ちゃんの足元まで包む込んであたためてくれるので、冬場は2~3枚程度用意しておくのがおすすめです。
冬向けの新生児向けサイズのツーウェイオールは3~4枚、60サイズのカバーオールを1~2枚程度そろえておきましょう。
2月生まれの赤ちゃんは、お出かけが増える1ヶ月後以降は春先になるため、厚手のものと薄手のものどちらも購入しておくのがベター。
その日の気温に合わせて柔軟にコーディネートができますよ。
対して、12・1月生まれの赤ちゃんは、出産前に防寒着を用意しておくと便利。
お出かけ用に頭から足先まですっぽり包みこんでくれるジャンプスーツやさっとはおれるポンチョなどの防寒アイテムを1つ購入しておきましょう。
季節に合わせた素材
デリケートな赤ちゃんの服には、刺激の少なく肌触りの良い天然素材がおすすめです。
中でも綿100%のアイテムは吸水性・通気性が高いため、汗っかきな赤ちゃんにピッタリな素材です。
綿は生地の織り方や編み方によって、厚みや肌触りが異なり生地の名称が異なります。
季節によって生地を使い分けることで、赤ちゃんがより快適に過ごせますよ。
〈綿素材の記事〉
・ガーゼ
伸縮性に優布目を粗めに織った軽くて柔らかな素材。風通しがよく、夏におすすめです。
・フライス
伸縮性に優れたリブ編みの素材。手触りが柔らかで、吸湿性と通気性にすぐれています。オールシーズン対応できる素材です。
・スムース
フライスより厚めで適度に伸縮性のある素材。
保温性が高く、冬におすすめです。
・パイル
厚手のタオル生地の素材。吸水性が高く、なおかつ保温性にも優れているので、夏にも冬に活躍してくれます。
・天竺
Tシャツに使われることの多い、通気性がよく、サラッとした着心地の素材。
吸湿性にも優れているので、汗をかきやすい春夏の季節にピッタリです。
赤ちゃんの体型に合ったサイズを選ぶ
生まれたときの赤ちゃんの身長や体重にはかなり個人差があります。
そのため、同じ月齢であっても、選ぶサイズが全く異なるということも起こりえます。
特にカバーオールなどのウェアは体に合っていないと、着心地も悪くなるため、始めは50~60サイズを数枚だけ用意して、あとは成長スピードに合わせて都度、必要なアイテムを買い足していきましょう。
▼成長に合わせた動きやすいデザインで選ぶ
新生児期は、まだ手足を活発に動かすことも少なく、寝ている時間の方が多いのですが、生後2ヶ月頃から徐々に変化がみられます。
そのため、手足を激しく動かしてもすそがめくれにくいような肌着やウェアに徐々に移行していきます。
生まれてすぐの時期は、短肌着がメインだったものがコンビ肌着やボディ肌着に買い替え、ウェアもツーウェイオールからカバーオールやロンパースへと着こなしも変化していきます。
~ママさんの声~
我が子の場合は、体も小さかったこともあり、1歳前後で60~70サイズの服を着ていました。
そのため一般的な月齢のサイズ目安は全く参考にならず、娘の成長に合わせながら、都度必要なものを買い足すという形よとりました。
成長スピードがゆるやかで、服がサイズアウトするまでの期間が長かったので、買い替えのタイミングがつかめず、服選びには苦労しました。
服の素材に関しては、乳児しっしんが長引いたこともあり、なるべく刺激の少ない素材を使用したものを選ぶよう心掛けていました。
出産準備に向けての肌着の選び方まとめ
いかがでしたか?
生まれて間もない赤ちゃんのコーディネートは、体調管理にも重要なため、季節や月齢ごとの目安に加え、赤ちゃんの様子を見ながら慎重に行いたいものです。
さらに、出産前に用意しておきたい服の種類や枚数は、生まれてくる赤ちゃんの体型や成長のスピードなどによっても左右されます。
そのため、始めは必要最低限のアイテムだけ準備して、成長に合わせて徐々に買い揃えていくというと、無駄な買い物をおさえられて、経済的ですよ。