【最新離乳食事情】日本の離乳食は慎重?海外の離乳食との違い

娘がもうすぐで6月になり、離乳食を与え始めたのですが、海外と比較したの離乳食の与え方も知っておくべきだろうと思い、いろいろと調べてみました。知れば知るほど日本の離乳食の与え方はユニークで、海外の事情とは異なる点が多いようです。

そこで今回は、日本の離乳食の与え方の特徴と、海外とは異なる点を5つ紹介します。実際は「海外」と一言でいっても、離乳食事情は国によって様々なのですが、ここでは欧米先進国と比較してみました。

日本の離乳食事情とは?

月齢に合わせた細かいステップ

日本の離乳食の与え方で最も特徴的な点は、なんといってもその「細かさ」です。10倍がゆ1さじから初めて、2日目も同じものを1さじ、3日目になったら2さじになり、米がゆに慣れた3週目ごろから野菜や豆腐を与えるなど、かなり細かく分量が決まっています。さらに与える回数も最初の一カ月は1回のみで、それ以降から2回食にするとされていますが、例えばフランスでは最初から2回食です。

さらに、5~6ヶ月はゴックン期、7~8ヶ月はモグモグ期、9~11ヶ月はカミカミ期、12ヶ月以降はパクパク期と、離乳食の段階を細かくステージに分け進めていく方法も日本ならでは。欧米ではここまで細かい指導はなされておらず、赤ちゃんの子を見て、だんだんと分量を増やしていきます。

糖分に厳しく、塩分に優しい

欧米では離乳食によく果物を使います。洋ナシ、メロン、マンゴーなどの甘味が強いフルーツも与えるのも珍しくありません。日本ではフルーツは糖分が多いので「あげすぎに注意」とされていますが、欧米では毎日のように赤ちゃんにフルーツを食べさせる国も少なくありません。

反対に日本より欧米のほうが厳しいのが、塩分。日本では離乳食には基本的に味付けは必要ないとしていますが、生後9か月ごろから素材のおいしさが引き出すために塩やしょうゆなどの調味料を使ってもよいとされています。しかし、これが例えばフランスでは「1歳になるまで与えないように」と指導されます。

糖分を多く摂る欧米人と、塩分をよく摂る日本人の食習慣の違いは、離乳食の時点で既に存在しているようです。

お粥からスタート

日本をはじめアジアの多くの国では、離乳食の最初に食べさせる物といえば「お粥」。まずは10倍粥からスタートさせるというのが日本ではスタンダードとなっています。しかしこれは欧米では珍しく、例えばドイツではじゃがいもから、イタリアではセモリナ(パスタの原料となる種の小麦)など国によって様々です。

ヨーロッパの国のなかでは、お米はグルテンが含まれているため8か月以降とされている国もあります。結局は、その国の主食を離乳食の最初に食べさせているようです。

開始を遅らせるとアレルギーになりにくい?

フランスでの離乳食についていろいろと調べた結果、一番驚いたのが、「開始時期の違い」です。フランスでは4カ月目から離乳食をスタートさせるのですが、息子はまだ生活のリズムが整っていなかったので少し遅らせました。すると、小児科医から「早く開始したほうがアレルギーになるリスクが減りますよ」と勧められました。えぇぇ?早く始めたほうがアレルギーになりやすいんじゃなかったっけ???

そう思い、調べてみたところ、日本語での情報では「昔は生後4か月頃から始めていたが、最近は食物アレルギーの懸念から今では多くの赤ちゃんが生後5ヶ月くらいにスタートしている」とありました。消化器官がまだ発達していない赤ちゃんがアレルゲンの強い食材に対して、強くアレルギー反応を起こすことがあります。そのため、できるだけ離乳食をスタートする時期を遅らせ、消化器官の発達を待ってから与えるのが安全だという考え方が日本では浸透しているようです。

しかし反対に、4カ月目から離乳食を始めたほうがアレルギーと喘息になるリスクが低くなるという研究結果もあるそうです。これによると、小麦、ライ麦、オートミールを5.5カ月より前に、魚は9カ月より前、卵は11カ月よりも前に食べさせられた赤ちゃんは食物アレルギーや喘息になりにくいそうです。さらに、9.5カ月以上母乳を飲み続けた赤ちゃんは喘息になりにくいということもわかりました。

このように、海外では日本で言われていることと真逆のことを「常識」として指導されるので、海外在住ママは悩むものです。

しっかり手の込んだ離乳食

そしてやはり、日本の離乳食の特徴といえば「素晴らしく手が込んでいる」という点です。すりつぶしたり、裏ごししたり、すりおろしたりなど、とーっても面倒臭そう!欧米では、働きながら子育てする女性が多いせいか、海外は市販のベビーフードも積極的に活用されており、離乳食を手づくりしない人が多いのも特徴です。手づくりの離乳食が主流の日本と比べて、アメリカでは離乳食がもっと手軽なものとしてとらえられているようです。手作りする人ももちろんいますが、ベビーフード専用のフードプロセッサーを使って簡単にちゃちゃっと済ませる人が多いようです。野菜を切ってマシンに入れるとスチームで火を通してくれ、それをミキサーにかけてピューレ状にするだけなので、とても簡単ですぐにできます。

手作りのお弁当作りなどもそうですが、本当に日本の主婦はすごいなぁと思います。アメリカのライスシリアルのような商品は日本であまり見かけませんが、粉末タイプのベビーフードならあります。お湯で溶いておかゆを作ることができる商品もあるので、活用すればかなり離乳食づくりがラクになりますね。

世界の赤ちゃんの離乳食

世界の赤ちゃんはいったいどんな離乳食を食べているのでしょう?乳食開始はどうでしょう?とても気になるところだと思います。日本ではまずはお粥からのスタートが一般的です。ではどうしてお粥なのでしょうか?このようなちょっとした疑問からその国の食生活、育児への関わり方、社会構造などが見えてくるものです。

オーストラリア

スタートはライスシリアル。しかも鉄分強化されていたり、あまり自然という印象は受けない。次はオートミールのようなもの。それでもベビーフードが主流で手作りはあまり人気がない。こだわり派はオーガニック。容器にすら配慮する徹底ぶり。オーストラリア牛は日本でも人気だが、その肉汁をパンに浸してあげたり、羊の脳みそペーストまで登場する

ブラジル

果物の豊富なブラジルではバナナ、パパイヤ、オレンジ、パイナップル、柿、桃、ぶどう、すいかなどが活躍します。しかし、最初の頃は主にフェージョン(豆料理)やスープです。オートミールも手軽に入ります。

カンボジア

離乳食ということばすら存在しない。しいていえば「お粥」がそれにあたる。米が主食のカンボジア。やはりお粥は米から作られる。白身魚や干し魚、にんじんや葉野菜をそこに入れる。味付けは日本でいうお醤油のような「シェン」。大家族なので食べさせるのはママに限らず子育てや家事担当の家族の人。

中国

中国の最初の離乳食はお粥です。お粥といってもほとんどお米の形がなくなったスープに近いものです。次のステップではそのお粥にみじん切りにした鶏肉、豚肉、魚などを加えていきます。そして次に野菜を刻んで加えます。 離乳期が長いことも中国の特徴です。日本のようにステップを踏まず、離乳期を半年以上続け、その後1才を過ぎたら大人と同じものに移行しています。

エチオピア

エチオピア人の主食は「インジェラ」というクレープ状の主食。その原料が「テフ」。このテフ、トウモロコシ、大麦などを混ぜ、粥状にしたものを生後6か月頃から食べ始める。親は指先でつまんで食べさせている。イタリアの影響でトマトソースのパスタも離乳食に出てくる。育児書などあまり普及しておらず、ママたちは看護師などの指導の下で離乳食を進めている。

フランス

始めは淡色野菜、そしてニンジンなどの野菜に移行し、じょじょにいろいろなものを加えていきます。けれどもほとんどの人が瓶詰めのベビーフードを利用しています。ちょっとフランスらしいメニューはアーティチョークのピュレー、鴨と野菜のカッスーレなどです。味もしっかりついています。時期は3~4ヶ月目から始めています。大人同様、ランチに重きが置かれています。

ガーナ

主食はとうもろこしかメーズなので、それをお粥状にして与えています。他にも大豆、millet あるいはGuinea corn というシリアルの一種をお粥状にして与えています。これらのお粥にミルクや魚の粉末を加えることもあります。

インド

インドといえばカレー。けれども赤ちゃんは辛いものは食べていません。一般的にはダールという豆をどろどろにしてスープ状で開始です。次にいも、米、バナナをつぶしたものを与えます。もちろん粉末のシリアルなども売られています。初期の離乳が完了するとじょじょにスパイスを加えていきます。 離乳の時期においては、貧しい家庭ですと離乳期をスキップして、長い期間母乳を与えて、大人と大差変わらない普通の食事に移行することもあります。

インドネシア

バリ島では米や青豆の粥(ブブール)を与えている。その際、生命力(バユ)のバランスを気をつけなくてはいけない。たとえば、肉は熱をもつのでバユのバランスを崩しやすい。逆にりんごや砂糖は寒の食なのでバユが強まるという。

香港

今や中国の一部である香港だが、あえて香港として取り上げよう。市販の離乳食は売られているものの現地の人には定着していない。というのも気軽に大人のスープやお粥を与えているからだ。香港人は煮込んだスープには栄養が凝縮していると信じているので赤ちゃんにも離乳食としてのスタートはスープ。

韓国

韓国といえばキムチを思い浮かべる人も多いと思いますが、赤ちゃんにそのような辛いものは与えていません。むしろ韓国は日本と似ています。りんごをすったもの、お粥、野菜を細かく刻んだもの、スープなどを与えています。瓶入りのベビーフードなども食べさせています。

パナマ

瓶入りのベビーフードも人気ですが、イモ類をつぶして与えるのが一般的です。このいもは OTOE, NYAME というもので長いもやさといもに似ています。バナナなどの果物をつぶしてオートミールやヨーグルトにも入れています。

フィリピン

フィリピンでは主食が米、そのためご飯をスープでといたものを与えています。他にはヤムという根野菜をゆでて、つぶして与えています。果物も豊富ですからバナナをつぶして与えたり、マンゴー、パパイヤ、ココナッツジュースも利用しています。いなかの方では4歳くらいまでおっぱいを与えています。

ベトナム

ベトナムでは屋台で親が買うお粥を赤ちゃんにも与えています。ですから家で作る手間が省けます。それに加えて近所の人たちとおしゃべりをしながら、青空のもとで離乳食を与えられるなんて開放的ですよね。

まとめ

このように、たかが離乳食といえど「世界スタンダード」はなく、国により大きく与え方が異なることがわかりますよね。赤ちゃんの体格、体型だけでなく、その国の食文化やママの仕事復帰度などにより、それぞれの国で離乳食ガイドラインが設けられているようです。日本人の母親は手作りの離乳食にこだわる人が多いと思いました。ベビーフードを利用するのは手抜き、怠慢というように受止める傾向があるようです。しかし、多くの母親は赤ちゃんのこの時期、家庭にいることが多いので、それも可能なのでしょう。初期、中期、後期と忠実にステップを守ろうとするのも日本人の特徴でした。

他の先進国に比べると、日本の「子育て法」はお母さんが専業主婦であることを前提にした指導がなされているような感じがします。赤ちゃんのコンフォートが第一優先で、母親の負担を減らすことはあまり考慮されていない…という印象を受けます。このへんが、社会からの「育児ストレス」に繋がっているのではないのかな。と考えてしまいました。