「20代と比べると30代で肌質が変わった」、と感じたことはありませんか?20代前半までは簡単なケアでもキレイな肌でいられますが、肌の変化によってスキンケアに力を入れはじめる方も少なくないでしょう。
しかし、丁寧なケアをすると肌が慣れてしまい、肌本来が持つ機能を眠らせてしまうのです。その機能を呼び覚まし、キレイな肌を取り戻す美容方法が肌断食です。今回は、肌断食のメカニズムと美容効果、肌断食の正しいやり方について解説します。
肌断食とは
「完全な肌断食」は、毎日、洗顔後も一切の基礎化粧品を使わず、メイクも全くしない、ということになります。 … 水またはぬるま湯を使って洗顔するのみ、のケアです。 皮脂汚れが気になるときだけ、無添加の石けんを使って洗顔する程度で、他は洗顔料も使いません。 洗顔後には化粧水はもちろん、基礎化粧品をつけないようにします。
肌断食のメカニズムと効果
肌断食はどのような美容法なのか、そのメカニズムと期待される美容効果について見ていきましょう。
◇肌断食で美肌になるメカニズム
肌断食とは、バリア機能やターンオーバーといった、肌本来の機能を引き出す美容法です。毎日しっかりケアをしているほど、肌がその状況に慣れてしまい、肌の機能が眠った状態になります。洗顔料やクレンジング料、基礎化粧品、メイクなど、肌に与えるもの、つけるものをすべて断つことで本来の肌に近付けるのです。
洗顔料や化粧品には、界面活性剤や防腐剤、添加物などの化学物質が使われています。洗顔料を例にすると、高い洗浄力で必要な皮脂を洗い流してしまい、乾燥や皮脂の過剰な分泌を引き起こします。
化粧品に含まれるさまざまな化学物質は、敏感肌や肌荒れ、アレルギー症状などの原因の1つです。
つまり、洗顔で肌に必要なものを落としてしまううえに、スキンケアで肌に刺激を与える、という悪循環につながるのです。
肌断食で悪循環の連鎖を断ち切ってダメージを減らすことで、肌のバリア機能や正常なターンオーバーなど、肌本来が持つ機能を引き出す効果が期待できるのです。
肌断食で期待される効果
肌断食をするとターンオーバーが正常になり、外部の刺激から肌を守るバリア機能、バリア機能による保湿機能を回復することができます。
バリア機能は角質層内に水分を蓄える働きがあり、分泌される皮脂で肌の表面に膜が作られて、うるおいのある肌を保つことができます。乾燥しにくい肌になれるうえに、乾燥による皮脂の過剰な分泌が抑えられ、テカリやニキビができにくい肌に変わるのです。
ターンオーバーが正常に働くと古い角質が剥がれ落ち、新しい肌に生まれ変わります。そのため、毛穴の詰まりや開き、黒ずみなど、30代によくある毛穴の悩みに効果的です。
また、スキンケアを減らすことで肌に与える摩擦も減り、肌のキメが整う効果や、肌荒れの改善効果も期待できます。肌本来が持つ機能を発揮できると、季節による温度差や環境変化によるストレスにも負けない、強い肌になれることも肌断食の効果の1つです。
肌断食のやり方
ダイエット効果を得るためにプチ断食を行うのと同様に体へ栄養分を与えない代わりに、メイクやスキンケアを全くやらないというやり方になります。
特別なケアをする必要もなく手軽に行うことができるため、誰でも簡単に行うことができます。ただし、アトピーなどの肌にトラブルを抱えている方は、皮膚科の医師に相談するなどの事前確認をしてから行うようにしてください。
最近では、女性だけでなく男性のスキンケアに対する関心も高くなっています。「肌男」ということばが流行っているように、男性が女性と同じように洗顔後に化粧水や乳液、栄養クリームなどを使用することも珍しくありません。
しかし、男性も女性と同様にスキンケアしていてもニキビや赤み、乾燥肌などの肌トラブルを抱えていることもあります。そんなときにおすすめの肌断食は、男女を問わず簡単にできる肌の再生方法と言えるでしょう。
3日間、何も塗らない、どこにも出かけず自宅にこもるのが石井式の肌断食。3連休でもできるので、自分の肌を見失ったときにぜひ取り入れて。
子どもの頃を思い出して“何もしない”状態にスイッチメイクをするから、クレンジングの必要があるし、クレンジングをするから、スキンケアも必要。だから一旦、メイクをお休みして、化粧水をはじめ、与えるケアもすべてやめてみる。2.【洗顔は軽めに】
朝晩、皮脂、汗、ほこりをオフするだけでフタをしない!メイクもせず、おこもりして外気に触れない肌断食中は、落とすのは自前の皮脂や汗と、部屋の中のほこりのみ。だから、たっぷりの泡でやさしく洗うだけでケアは完了。どうしても肌がピリピリするときだけ、保湿系ブースターを。フタするケアはガマン。
3.【胃腸を休める】
エネルギーを消化ではなく回復力アップに使うカラダのエネルギーを、回復力を高めることに集中して使いたいので、消化にエネルギーが取られる炭水化物やお肉メインの食事ではなく、スープなど消化にいいものにスイッチ。
4.【水はたっぷり】
便秘を防ぎながら、体内をクリーンな水で満たす!お風呂で意識的に汗を出すので水分不足になりやすく、食事の量も減るので、便秘になりがち。だからこそ、ミネラルウォーターや温泉水を1日1.5~2Lを目安にしっかり摂取して。
5.【のんびり入浴】
リラックスしながら自ら潤える柔肌へ肌断食中の入浴は約39度のぬるめのお湯に20分。汗が出るまでじっくりと浸かることで、汗腺や皮脂腺が開放されて、自前の皮脂膜がレベルアップ。ふやけることで柔らかさも。
6.【ぐっすり睡眠】
寝ている間に肌は修復されるからゆったりと過ごせるときなので、蓄積した疲れをとり、肌の回復力が高まるように質のいい睡眠を。心もカラダもホッとほぐれるような香りを上手に取り入れて、心地よく眠れる環境に整えて。
肌断食の洗顔方法
肌断食中の洗顔では、基本的には洗顔料を使用しません。顔の汚れと言われるものは、汗や皮脂、ほこりなどがほとんどであるため、ぬるま湯だけでも十分に落とすことができます。
メイクをしていてぬるま湯だけでは落ちないという場合は、界面活性剤などが配合されていない無添加石鹸であれば、洗顔に使用しても問題はないでしょう。逆に言えば、無添加石鹸で落とせる程度のメイクにとどめておくことが大切ということになります。
肌断食中の保湿やメイクについて
洗顔後は通常であれば、化粧水、乳液、クリームなどを使って保湿、保護をすることでしょう。肌断食中は、できるだけぬるま湯のみで洗顔した後は、通常のスキンケアを行いません。かさつきが気になる場合には、ワセリンなどの添加物が入っていない保湿剤を塗るだけでOKです。
肌断食中は基本的にはノーメイクが理想です。仕事などの都合でそれができない場合は、ミネラル系のものや油分・界面活性剤などが含まれていない化粧品を選んでメイクするようにしましょう。
肌荒れが酷くなりそうなときの対処法
肌断食は、スキンケアやメイクをやめることで肌の状態をリセットして肌本来の姿に戻すことを目的としています。肌断食を始めると、一時的に肌荒れやニキビ、角栓などの肌トラブルが生じることも少なくありません。
肌本来の姿に生まれ変わろうとしている過程であるため問題はありませんが、肌荒れがどうしても気になる場合は、化学成分が配合されていない保湿剤のみ使用するようにするといいでしょう。敏感肌の方は肌荒れが激しくなって痛みを伴うような場合は、すぐに皮膚科医に相談するようにしましょう。
肌断食後のスキンケア
休み明けになったらいつも通りのスキンケアに戻しますが、メイクは薄めにするなどすると肌への不安も少なくなりそう。
数日間の肌断食でも、肌の変化を実感できるかもしれません♪
自分のペースで無理なく試してみましょう!
まとめ
肌断食を続けると、徐々に肌本来の機能が発揮されて何もしなくても健やかな肌の状態をキープすることができるようになります。
常に過剰なスキンケアをすることで肌本来のバリア機能や修復力が弱められていた状態が改善されることで、肌本来の力を蘇らせることができるようになるでしょう。敢えて肌を無防備な状態におくことが大切で、過剰、過保護なスキンケアはかえって逆効果となることも理解しておきましょう。
今の時期は自粛などで外に出ることが少なくなってしまった今だからこそ!このお休みの間を利用して、肌状態を一旦リセットし、効く肌づくりのきっかけにしてほしいと思います。