【2020年最新美容】「酸化」と「糖化」は「老化」の原因!?アンチエイジングに必要なものとは。

加齢による老化は、誰しも逆らえないもの。そして 毎日の食事なしでは生きていけませんよね。それなのに食事の摂り方に気をつけないと、肌トラブルが起きたり老化が進むことがわかってきました。その原因は“糖化”。誰にでも起こる現象で、美容と健康に大きなダメージを与えます。しかし「見た目年齢」を若々しく保つことは、努力すれば可能です!

くすみが気になるし老けて見られる…それは“糖化”が原因。

お肌がくすんで透明感がない……。春になって明るい色の洋服を着る機会が増えると、いっそう気になりますね。お肌がくすむ原因はいろいろありますが、実は“糖化”もそのひとつだとわかってきました。くすみを引き起こす糖化とは、どういうものなのでしょうか。

糖化は肌を老化させる大きな原因のひとつで、肌に悪影響を与えるまさにキレイを目指す人の敵。くすみは、肌のハリや弾力を生み出すコラーゲンが糖化することでも起こるのです。コラーゲンや角質のケラチンはもともと透明なのですが、糖化すると右下図のように黄色や茶褐色に変化してしまいます。この色の変化が肌の内側で起こり、くすみにつながっていくそうです。

糖化という言葉が難しく感じる人も多いかもしれませんので、わかりやすくするために、ホットケーキに例えてみましょう。小麦粉に砂糖、卵、牛乳を混ぜて焼けば、こんがりと色づきます。このおいしそうなこげ色は、糖化することによって起こる変化なのです。

後で詳しく説明しますが、簡単に言うと、ホットケーキのこげ色の原因は、小麦粉や砂糖、卵、牛乳に含まれる糖質とたんぱく質なのです。この糖質とたんぱく質が加熱されてできるものが、こげ色の正体。肌の内側でも、同じような現象が起こっているのです。

体がコゲている!?老化の元凶「糖化」って何?

「糖化」とは、たんぱく質が糖質と結びつく反応によって変性してしまうこと。このたんぱく質と糖質が結びつく現象のことを「メイラード反応と呼びます。いわゆる“コゲ”ですが、これと同じことが人間に起きることが体の糖化なのです。

身体のエネルギーとして使う量を超えて余った糖質と、たんぱく質が体内で結びついてしまうと、糖化されたたんぱく質によって「AGE」と呼ばれる悪玉物質が大量に作られます。血管、骨、内臓、筋肉、肌、髪の毛と、私たちの体の多くはたんぱく質から構成されているのですが、AGEはたんぱく質を攻撃し、その機能を低下させる働きがあります。体の元となるたんぱく質が劣化することで、あらゆる老化に繋がってしまうのです。

<糖化によって考えられる老化症状>

  • 肌のハリや弾力が失われ、たるみやすくなる
  • 肌にシミやシワができやすくなる
  • 肌のくすみや透明感のなさが目立つ
  • 髪の毛のハリやコシが失われる
  • 血管が詰まりやすくなり、動脈効果に繋がる可能性
  • 骨がもろくなり、骨粗しょう症になる可能性
  • 脳の老化にも影響するため、アルツハイマー病の可能性

若々しい美しさが糖化で失われていく。

糖化とは突然起こるわけではなく、特別な現象でもありません。あなたは今日、どんな食事をしましたか? 甘いものはどのくらい食べましたか?

実はそういったいつもの食生活がそのまま、糖化につながっているのです。糖化とは、どんな人の身体の中でも起こり続ける現象なのです。

毎日食事を摂るだけで少しずつ進み、甘いケーキを食べればさらにスピードアップ。それを止めることは誰にもできません。ただ、ちょっとした工夫で糖化を予防することはできます。年齢の割に若々しく肌が美しい人と、そうでない人の分かれ目は、糖化の進み具合にあるかもしれないのです。

ずっと若々しくキレイでいたい人のために、糖化について詳しく紹介していきましょう。

最も効果的な糖化対策は「食事」にある

糖化はお肌だけでなく、実は全身にダメージを与えています。どうすれば糖化を防ぎ、若さや美しさを守れるのでしょうか。そのためにはまず、糖化のメカニズムについて理解しましょう。

身体に必要な糖質がタンパク質を劣化させる。

ここまでに、糖化が肌を老けさせることをお伝えしました。そして糖化には糖質とたんぱく質が大きく関係していることを、ホットケーキの例でご紹介しました。ここからはその糖質について、もう少し詳しくご説明しましょう。

糖質と聞くと甘いお菓子を想像しがちですが、ご飯、パン、パスタといった主食となるものにもたくさん含まれています。それどころか量の差はあるものの、ほぼすべての食品に含まれているといっていいでしょう。

糖質は身体のエネルギー源。糖質がなければ、頭も身体も働きません。そんな、身体に欠かせないもののはずの糖質が、どうして老化の原因になってしまうのでしょうか。

血管や筋肉など、人の身体の大部分は、タンパク質から作られています。そのため食事などで糖質が身体の中に入ると、体内のあちこちにあるタンパク質と糖質が結びつき、タンパク質が劣化します。この劣化したタンパク質はAGEs(エージーイー)といい、これが身体のあちこちに溜まって、悪さをします。

右にある図を見てください。糖質とはいつもの食事、タンパク質とは私たちの身体、ホットケーキでいう加熱とは体温。つまり何も特別なことはしていないのに、普段の食事そのものが、糖化を引き起こしているのです!

AGEsは身体中をむしばんでいく。

AGEsが体内に溜まると、身体のあらゆる機能にトラブルを引き起こします。血管がもろくなるのもそのひとつ。人は血管から老化すると言われ、血管が衰えると全身の老化を早めてしまいます。血管の老化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気が発生するリスクも高まります。しかも困ったことにAGEsは身体の外になかなか排出されないのです。

ただし糖化の進行レベルには個人差があります。AGEsが体内に溜まりにくい生活をしていれば糖化の影響を抑えられ、若々しく過ごすことができるのです。

ぜひ覚えておいていただきたいのは…糖質そのものが身体に悪いのではないということ。糖質は、エネルギー源として大切。身体のエネルギーとして使う量を超えて、摂り過ぎてしまうことが問題なのです。身体の中に糖質が多過ぎる状態が長く続けば続くほど、糖化の危険度は高まっていきます。腹八分目を心がけるだけでも、あなたが若く健康でいられる可能性が高まっていくのです

どんな食材を、どのように調理して、どんなタイミングで食べるのかによっても、AGEsが溜まるスピードに差が出ます。さらに運動不足といった生活習慣も影響しているのです。

何気なく過ごしている普段の生活の中に、糖化の原因は数多く潜んでいると考えていいでしょう。若々しく美しくありたい私たちにとって、これは大問題。AGEsが溜まりやすい生活にはどんな特徴があるのか、しっかりチェックしていきましょう。

糖化を防ぐ2つの原因

糖化の進み具合は人によって違い、その個人差が、老化や肌コンディションに大きく影響しています。では、いったいなぜ差が出るのでしょうか。その謎を解くためには、原因となっているふたつの食生活を理解することが大切。しっかり理解して、対策につなげましょう。

[体内で起こる反応] 高血糖が続く。

血糖値という言葉をご存知ですか? AGEsの溜まり具合は、血糖値と大きな関係があるのです。

血糖値とは血液中に含まれる“糖分(ブドウ糖)”の量のこと。下のグラフを見ると、食事で血糖値は上昇しますが、食後は身体の活動エネルギーとして糖質が消費され、少しずつ下がっていくのがわかりますね。

血糖値は食事のたびに、こんな風に曲線を描くのが一般的。ところが食べる内容によっては血糖値が大幅に上昇したまま、なかなか下がらない状態が続いてしまいます。

血糖値が高く上がれば上がるほど、要注意です。体内に糖質が多過ぎる状態が続くため、AGEsが発生する可能性が高くなるのです。また、血糖値がだらだらと下がり切らないのも危険なんだそうです。

血糖値が上がる原因となるのは食事だけではありません。カフェに入ってケーキセットを楽しんだら、血糖値は急上昇。スナック菓子をつまんだだけでも上昇してしまいます。

何げなく口にするジュースも同じこと。清涼飲料水には一般的に、10%程度の糖質が含まれています。つまり、よく手にする500㎖の清涼飲料水なら、何と角砂糖約16個分!

キレイの敵・AGEsが溜まらないようにするには、毎日の食生活に気をつけて、高血糖が続かないようにする必要がありそうです。

[体外から摂取する] AGEsが多い

AGEsが私たちの体内で作られているという話は、それだけでも十分に衝撃。ところが実は、まだ続きがあります。驚くべきことに、食品そのものにもAGEsが大量に含まれているのです。私たちは身体に悪影響のあるAGEsを食べて、体内に溜めてしまっているというわけです。

AGEsの含有量は食品によってさまざま。食材の種類で比べると、肉類に含まれる量が最も多く、魚類がそれに続き、野菜や果物は少なめです。

また同じ食材でも、調理方法でAGEsの量が大きく変わります。一般的に、茹でる・蒸すといった水を使う調理では、AGEsの量が抑えられるという傾向があります。AGEsは高温での調理が長く続くほど増えるため、100℃までしか上がらない水を使う調理の方が少ないというわけです。

たとえば鶏肉を使った料理では、水炊きにした場合のAGEs含有量を1とすれば、フライパンで焼くとその約5倍、から揚げなら約10倍と、数値がどんどん上がっていきます。

また、注意したいのが電子レンジによる温め直しです。高温での調理となるため1回の使用でもAGEsが増加します。さらに何度も温め直すと、そのたびにAGEsの量が増え、身体を老化させる原因になっています。毎日のことだけに、怖いですね。今日から少しずつでも確実に対策していきましょう。

食べるものや順番を工夫したり制限する

体の大部分を構成するたんぱく質の摂取を減らすわけにはいかないため、糖質が余分にならないよう量を減らしたり、食べ方を工夫すると良いでしょう。

糖質を摂ると血糖値が上がります。糖はインスリンの働きにより細胞に運ばれてエネルギーとなったり、肝臓にグリコ―ゲンとして蓄えます。こうして血糖値そのものは下がりますが、体内の細胞に送られた糖が多いと、使い切れずに余った状態となってしまうのです。血糖値は糖を過剰に摂る、または一気に摂ってしまうと急激に上がってしまいますので、先に食物繊維を多く含む野菜やきのこ類を食べ、血糖値の上昇を緩やかにしましょう。

またチョコやアイス、ケーキやクッキーといったお菓子、清涼飲料水は摂り過ぎには注意。これらに含まれる糖質は単糖類といって、炭水化物の複糖類とは異なり、吸収が早く血糖値を急激に上げるため、糖質が余りやすく、AGEを作り出す元になるため注意が必要です。

食事の組み合わせを工夫する

揚げ物などAGEの高いものを食べたいときは、AGEの増加や吸収を抑えてくれる働きがあるものと一緒に摂るのがおすすめです。たとえば、AGEの吸収を緩やかにすると言われているのがクエン酸。酢やレモンをかけたり、抗酸化作用のある緑黄色野菜を一緒に食べたりすると良いでしょう。ほうれん草、モロヘイヤ、かぼちゃ、小松菜、春菊。またカテキンを含んだ緑茶やポリフェノールはAGEが作られるのを抑えると言われています。

AGE含有量の多い食品を食べる機会を減らす

AGE含有量は、食品によって大きく異なります。そのため、最も効果的な糖化対策は、AGE含有量の多い食品をできるだけ食べないことです。

<AGE含有量がとくに多い食品>

  • フランクフルト(5分間焼いた豚肉) 1万143KU/90g
  • ローストビーフ 5464KU/90g
  • クリームチーズ 3265KU/30g
  • マグロ(オイル缶詰) 1566KU/90g
  • バター 1324KU/5g
  • ベーコン(電子レンジで3分間加熱した豚肉) 1173KU/13g
  • ポテトチップス 865KU/30g
  • チキンナゲット 764KU/90g
  • パンケーキ 679KU/30g
  • ココア(砂糖入り) 656KU/250ml
  • クラッカー 653KU/30g
単位の「KU」は「Kiro Unit(1000単位)」の略で、AGEの含有量を表すもの

参照:老けたくないなら「AGE」を減らしなさい カラダが糖化しない賢い生活術 (SB新書)

AGE含有量が多いのは、加工肉類、揚げ物、チーズなど。一方で、魚や野菜、果物は少ない傾向にあり、例えばニンジンは10KU、玉ねぎ36KU、バナナ9KU、りんご13KU(いずれも100g、生の状態)程度なので、AGE含有量の高いものは食べ過ぎないように気を付けましょう。

糖質の制限をしてみる

糖質制限とは要するに「血糖値を上げない食べ物を食べる」ことです。食後に血糖値を上昇させるのはグルコースと体内で消化されてグルコースに変化する糖質(デンプンなど)だけです。脂肪とタンパク質はいくら食べても血糖は上昇しません。炭水化物は糖質(体内に吸収されて血糖値を上げる)と食物繊維(消化管で消化・吸収されないので血糖値を上げない)の2つに分類されますが、体内に吸収されない食物繊維はいくら食べても問題ありません。糖質が少なく食物繊維の多い食品としてキノコ類、海草類、葉菜類の野菜、こんにゃく、おから、小麦ふすまなどがあります。

糖質制限の実践では、食べてはいけない食品、少しなら問題ない食品、いくら食べても良い食品に大まかに分類して、個々の食品がどれに相当するのかを知っておくと食事のメニューを考えるときの参考になります。

① 原則的に食べてはいけない食品:糖質の多い食品全て1)穀物を使った食品;米(玄米も含む)、パン類、麺類(うどん、そば、ラーメン、パスタなど)、餅、せんべい、シリアル、トウモロコシ、など2)砂糖や糖質を使ったお菓子類:ケーキ、まんじゅう、和菓子、チョコレート菓子、ポテトチップス、ポップコーン、アイスクリーム、プリンなど糖質の入ったお菓子全て3)砂糖や異性化液糖などの入った食品や飲料;味付けに砂糖を多く使った食品の全て、糖類の入った清涼飲料水(コーラ、サイダーなど)やジュース類4)イモ類や根菜類:ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、レンコン、ニンジン、ゴボウなど糖質の多い野菜5)甘い果物:ブドウ、リンゴ、バナナ、パイナップル、カキ、ナシ、サクランボ、マンゴーなどほとんど(アボカド以外)の果物、全てのドライフルーツ

6)砂糖やフルクトースの多い甘味料や調味料;蜂蜜、シロップ、ジャム、ケチャップ、ソース

7)揚げ物:天ぷら、トンカツ、コロッケなど

② 少量なら食べてもよい食品:糖質は含まないが摂り過ぎは健康に良くない食品赤身の肉、加工肉、乳製品(牛乳、チーズ、バター)、食用油(菜種油、大豆油、紅花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、コーン油など)
③ いくら食べてもよい食品:糖質の含量が少ないかゼロの食品類大豆製品(豆腐、納豆、枝豆など)、魚貝類、卵、鳥肉、キノコ類、海草類、野菜(葉菜類)、アボカド、ナッツ類(特にクルミ、ピスタチオ)、コンニャク、エキストラバージンオリーブオイル、ココナッツオイル、中鎖脂肪酸中性脂肪(MCTオイル)

糖尿病の治療を目標にした糖質制限食に関する書籍には、肉や乳製品はいくら食べてもよい食品に分類されています。しかし、がん予防の研究分野では動物性脂肪の多い肉や乳製品、高温で加熱調理した赤身の肉、加工過程で発がん物質が生成されている加工肉、ω6系不飽和脂肪酸の多い食用油は適度の摂取にとどめるのが望ましいと考えられています。したがって私はがん予防の観点から、動物性脂肪の多い食品や赤身の肉や加工肉(ソーセージ、ハム、ベーコンなど)や食用油は摂りすぎない方がよい(少量なら問題のない)食品に分類しています。

高温調理を避ける

またAGEは調理法によって量が変化し、コゲができやすい高温調理になるほどAGEが増加することがわかっています。フライパンで油をひいて焼く、炒める、揚げるといった調理より、100度以上にならない、茹でる、蒸すといった調理方法の方がAGEは少なくなります。
例えば、じゃがいもを25分茹でるより、揚げてフライドポテトにする方がAGEは高くなります。炒め物や揚げ物を食べた翌日は、茹でる、蒸すといった調理でできる料理にしましょう。また、電子レンジはコゲはつきませんが、マイクロ派を使い短時間で高温加熱をしているため焦げ目をつけているのと同じ状態となりますので注意しましょう。

知っているだけで大違い!これが本気の糖化対策

高血糖やAGEsの含有量が糖化に影響するとわかっていても、好きなメニューや大好きなおやつは楽しみたいですよね。少しの努力でOKの糖化予防法をご紹介しましょう。

 “ベジタブルファースト”を実践。

野菜を先に食べるだけで血糖値の上昇を抑えられる。

糖化を進めないようにするには、血糖値の上昇を抑えることが大切です。食事やおやつを減らせば、血糖値はそのぶん下がりますが、ストレスが溜まってしまいそう。また、血糖値を測るのも難しいものです。

そこで「量」ではなく「食べる順番」を変えるという対策を実践してみませんか。それが“ベジタブルファースト”です。

ハンバーグランチなら野菜サラダを一番に。和定食なら野菜の煮物やおひたしから食べて、お肉やご飯は後回しに。全く同じ内容の食事でも「野菜を最初=ベジタブルファースト」にするだけで、血糖値の上昇を抑えるのに効果的であることがわかっています。

野菜から先に摂れば食物繊維の効果で、後から食べるご飯やパンなどに多く含まれる糖の吸収を遅らせることができます。糖の吸収が遅いほど、血糖値の上昇はゆるやかになり、高血糖が続く時間を減らすことができるため、糖化予防には有効ですね。食物繊維の多い野菜を選び、生のままで食べるのがベストです。

「同じ野菜でもジュースや調理したものは、消化がよく吸収スピードが早いため、血糖値の上昇も早くなります。糖化対策には、吸収スピードの遅い生野菜がおすすめです」

ベジタブルファーストなら簡単ですし、ヘルシーな野菜で糖化を予防できるというのも嬉しいですね。

食べるタイミングにも気をつけて。同じメニューなのに、食べる時間が違うだけで糖化対策に有効というところにも注目しましょう。朝の食事は他の時間よりも2割ほどカロリーが吸収されにくいのです。従って血糖値の上昇がゆるやかになり、糖化予防につながります。夜の食事については19時ぐらいまでがベスト。21時以降はできるだけ食事をしないように気をつければ、カロリーや糖質の過剰摂取を抑えることができるんですよ。人間の身体は今も、原始的な時代からの時間遺伝子を持っているのです。太陽が出ている間に活動し、沈めば寝るというサイクルに合わせて生活するように心がけましょう。

GI値の低い食品を選ぶ

▼似た食品なのに、血糖値の上昇が大違い!

血糖値を急激に上げる食品と上げにくい食品があります。その目安となるのがGI値※。同じグラム数の炭水化物を摂ったとき、食後の血糖値がどれくらい上がるかを示す値です。

例えば、そば、うどん、白ご飯を食べて血糖値の上昇を比べてみたら、最も上がりにくいのはそば、次はうどん、最も上がるのは白ご飯という結果が。また人参やじゃがいもは血糖値が上がりやすく、ほうれん草やキャベツは上がりにくいなど、野菜の中でも差があります。

ただし山岸先生は、そうしたデータばかりをあまり気にしすぎないようにとアドバイスされています。

GI値ばかりを常に意識して食べる必要はありません。3回に1回ぐらいGI値を意識して、食事を選ぶといいでしょう。朝はパン、夜にお寿司を食べる予定なら昼はそばにする、というようなバランス感覚を育んでください。1週間単位でバランスを考えてもいいですね。がんばり過ぎずに続けることが大切ですよ。

食事以外にできる糖化対策

メニュー内容だけでなく、1日何回、どんな時間帯で食べるのかに注意を払うだけでも、血糖値の上昇を抑えたり、高血糖な状態が続くのを防ぐ効果が見込めます。血糖値が最も上がるのは、食後1時間。食事内容だけでなく、食後1時間にする運動も大切になってきます。日常生活でどんな点に気を付けるべきなのでしょうか。

筋肉量を増やす

筋肉量が多いと、血糖値が上がりにくくなる効果があります。血糖値が高い状態が続くと、糖が余る元となりAGEはできやすくなりますので、血糖値が低いに越したことはありません。消化吸収された糖質は、肝臓でグリコーゲンという物質になり肝臓や筋肉に蓄えられるのですが、筋肉量が増えるとそれを貯蔵する量が増えます。そのため血糖値が上がってしまうことを抑えることができるのです。大きい筋肉を鍛えるのが効果的なので、スクワット1セット15〜20回を3、4セット、毎日の習慣にすると良いでしょう。

食後すぐに軽い運動を行う

糖質を含む食事をすると15分以内に血糖値が急激に上がります。しかし食後すぐにウォーキングをして体を動かすと、食後の高血糖を落ち着かせて、AGEを作りにくくすることができるのです。運動といっても、食器を洗ったり、こまめに片付けたり、何かを取りにいくといった、普段からしている活動レベルでもかまいません。実はそうした日々の活動に必要なカロリーは想像以上に大きいので、血糖値を下げるのに効果的なのです。理想は毎食後20~30分のウォーキングなどを行ってみてください。これにこだわらなくても、外食後にはエレベータではなく階段を使って移動するなど、少しずつ身体を動かすだけでも差が出ますよ。

まとめ

人生100年時代と言われる、今。せっかくなら若々しく、美しく生きていきたいですよね!そして、自粛中の今だからこそ自分を見つめなおすチャンスなのかもしれません。健康でキレイな未来の自分を目指して、できるところから糖化対策をしてみてはいかがでしょうか。