【2021年お年賀】今から準備しておけば困らない!年賀状の書き方の常識・マナー

もう年賀状!?なんて思っている方。今から始めておけば年末に焦ることなくゆっくりと年を迎えることが出来るでしょう。年賀状は、日頃お世話になっている方はもちろん、ご無沙汰している人にも近況を報告できる「年に一度の挨拶状」です。

最近では携帯で済ませちゃう。なんて方もらっしゃると思いますが、年に一度しか書かないし、上司や親せきの年賀状ぐらいちゃんと送りたいですよね!

「賀正」や「迎春」と書いてもいいの?年号はどう書けばいいの?など疑問がいっぱい。大切な方への年初めのご挨拶、相手に失礼のないよう、これから復習をしていきましょう。是非参考にしてみてくださいね。

そもそも年賀状とは

年賀状(ねんがじょう)とは、新年(正月)に届くよう送られる郵便葉書やカードを用いた挨拶状のことです。新年を祝う言葉をもって挨拶し、旧年中の厚誼の感謝と新しい年に変わらぬ厚情を依願する気持ちを、親しい相手への場合などには近況を添えることもあります。

日本では毎年当たり前となっていますが、日本に近い韓国、中国、台湾にも似た風習があるそうですよ。 これに対して、欧米などでは、クリスマス・カードやグリーティングカードで「クリスマスと新年の挨拶」を行うため、在外日本人を除き、年賀状の文化はないそうです。

賀詞の意味

年賀状に書く「謹賀新年」「迎春」「あけましておめでとうございます」などの文を「賀詞」と言います。

文字どおり、賀詞はお祝いの気持ちを表す言葉で、さまざまな種類があります。賀詞はそれぞれに違いや意味があり、年賀状を出す相手と自分との関係性によって使う賀詞を変える必要があります。

謹賀新年と恭賀新年の違いは?

誰に対しても使えることから、よく使われている「謹賀新年(きんがしんねん)」と「恭賀新年(きょうがしんねん)」。同じ意味だと思っている方もいるかもしれませんが、実は少しだけ意味が違います。

謹賀新年は「謹んで新年のお祝いを申し上げます」という意味。「謹んで」という言葉は、相手に敬意を払いながら言動することを表しています。目上の人だけでなく親しい友人への年賀状にも使えます。困った時は謹賀新年を使っておけば大丈夫」というオールマイティな賀詞です。

一方で、恭賀新年は「恭(うやうや)しく新年をお祝い申し上げます」という意味。「恭しく」という言葉は、相手を敬い礼儀正しく丁寧であるさまを表しています。恭賀新年は謹賀新年よりもかしこまった印象がありますが、そこまで差はありません。

年賀状を相手に送る意味

古くから日本では、新年に年上の方やお世話になった方の家を訪ねて挨拶をする「年始の挨拶まわり」という習慣があります。しかし、時間的にすべての家に挨拶に出向くのは難しいため、その代わりとされたのが年賀状です。

したがって、年賀状は日ごろお世話になっている方々に感謝の意を表し、新年を祝うとともに変わらぬ付き合いをお願いする思いが込められています。また、親しい相手には結婚や出産、進学や就職などの近況報告をする意味もあります。

年賀状を送るメリットは?

近年メールやLINEで終わらせない!年賀状には、新年の挨拶に止まらないさまざまなメリットがあるんです。

*正月らしさを感じられる

元日の朝はまずポストを確認し、届いた年賀状を読むことから始める人も多いと思います。年賀状の準備で年末を感じ、届いた年賀状を見て正月を感じる。年賀状は、年末年始の風物詩なのです。

*ご無沙汰している人と気軽に連絡がとれる

幼なじみや同級生、恩師など離れたところに住んでいたり、連絡をとる機会に恵まれなかったりする人でも年賀状なら気兼ねなく連絡をとれます。相手との繋がりを再確認できるのもポイントでしょう。

*一年を振り返るきっかけ

年賀状に使う写真を選んでいると、その年の思い出がよみがえってきます。手書きの一言メッセージを書き添える際も、相手のことを思い出しながらメッセージを考えるので、自分の一年、相手との一年を振り返ることに。1年の総まとめに利用できるのも年賀状の良いところです。

*年賀状作りも一つの思い出

年賀はがきを買って、送り先のリストをまとめて、デザインを考えて、一言メッセージを書き添えて、期日までに投函して……。年末の忙しい時期に年賀状を作る一連の作業は大変な部分もありますが、ワクワクしたり楽しさを感じたりする場面も多くあるはず。年賀状作り自体が、一つの思い出作りになるのです。

*営業ツール

ビジネスで取引先や顧客に送る年賀状は、挨拶や感謝の気持ちを表すと同時に、営業ツールとしても役立ちます。普段の仕事ではなかなか伝えられない感謝の気持ちやプライベートのことを手書きの一言で伝えれば、より相手の心をつかみやすくなります。

年賀状を書くときの5つのマナー

まずは年賀状を書く前に理解しておきたい5つの基本的なマナーをご紹介します。

毛筆か万年筆で書こう

年賀状を手書きするときは、毛筆か万年筆を使用しましょう。新年のお祝い事の場合、ボールペンなどの細い字よりも、毛筆や万年筆のような太く力強い字のほうが良いとされています。また、黒色のインクで書きましょう。青色やグレーなどの色は年賀状に相応しくありません。

年賀状は1月7日までに届ける

年賀状は、松の内の期間(正月の門松のある期間、1月7日)までとされています。7日を過ぎると年賀状から寒中見舞いに変わるため、年賀状が相手に届く日を郵便局で調べた上で、できる限り早めに投函しましょう。

また、年賀状にはその年(年号または西暦)に「元旦」という語を添えて記します。元旦とは「1月1日」という意味です。年賀状が届く日と元旦の日数が開いてしまうと、相手に非常識な印象を与えてしまうので注意しましょうね。

暗い話題・忌み言葉は避ける

年賀状は一年の始まりの挨拶状です。先方を暗い気持ちにさせるような話題は相応しくありません。また、不吉な意味を連想させる「忌み言葉」も避けましょう。

年賀状で間違って使用してしまいがちな忌み言葉は「」です。離別や死別を連想させる「去」は「去年はお世話になりました」と、旧年のお礼の言葉で用いてしまいそうですが、「昨年、旧年中」などの言葉に言い換えるよう注意が必要です。年賀状を書くときに気をつけたいその他の忌み言葉は以下の言葉です。

死、無、梨、魔、摩、割、悪、敗、破、別、戻、離、帰、飽、血、去、消、疎、弱、負、折、衰、飽、苦、切、逝、往、倒、詰、閉、寂

自筆のメッセージを書き添えよう

文面を印刷してまとめて作成するときも、あらかじめ紙面に余白を残しておき、手書きの短いメッセージを添えるようにしましょう。お世話になったことへの感謝や、今後の交際についてのお願いを丁寧に書き添えることによって、やわらかい文面になります。また自分の名前も自筆にしておきましょう。

句読点はなるべく使用しない

年賀状の挨拶状では、句点()や読点()は書かないのが慣習となっています。句読点を入れないと読みづらい場合は、改行を上手く使いましょう。とはいっても、近年は句読点を入れる人もたくさんいます。あくまで昔の慣習の名残のため、無理に改行するよりも、読みやすさを重視することが大切です。

年賀状の基本構成と書き方【表書き】

それでは年賀状の表書きの基本構成と書き方について解説していきます。プライベートの友人や恩師に送る「個人・一般用」と、仕事の取引先関係者に送る「ビジネス・取引先」の2つのパターンをご紹介します。

年賀状の表書きの書き方(個人・一般用)

まずは個人・一般用の年賀状の表書きについて、書き方を解説します。以下の図に割り振った番号をご覧ください。

ポイントは5点です。それぞれの書き方を見ておきましょう。

  1. 郵便番号:郵便番号は枠内に大きくはっきりと書きます。郵便番号を間違えて記入しないよう、郵便番号検索サイトなどで確認しましょう。
  2. 宛先の住所:郵便番号の右端に揃え、行頭から1字分のスペースを空けて書き出します。
    縦書きの場合は漢数字を用いるのが一般的ですが、年賀状では「十」は「一〇」、「十一」は「一一」と書くことを覚えておきましょう。横書きの場合は算用数字(アラビア数字)を用います。
  3. 宛名:宛名は年賀状の左右中央に大きめの字で書きます。郵便番号の2枠目の真下の位置が目安になります。1文字分のスペースを空けて書き始めます。
    敬称は「様」が原則。ご夫婦など、宛名を連記する場合は、それぞれの名前の下に「様」と書きます。敬称はまとめて用いてはいけません。
  4. 年賀の文字:官製の年賀はがき(お年玉つき年賀はがきなど)には印刷されていますが、通常の官製はがきや私製はがきに「年賀」の文字はありません。これらのはがきを使う場合は「年賀」の文字を朱書きしましょう。この文字がないと、通常郵便として扱われ、元旦前に届いてしまいます。
  5. 差出人の住所・氏名:宛名や宛先よりも小さめの字で書きます。ここでは表書きの書き方をご紹介していますが、年賀状では、裏面の文面の最後に書くことも多いです。その場合でも書き方は同じです。

年賀状の表書きの書き方(ビジネス・取引先)

つづいては仕事の取引先に年賀状を送るときの書き方をご紹介します。

  1. 郵便番号:郵便番号は枠内に大きくはっきりと書きます。郵便番号を間違えて記入しないよう、郵便番号検索サイトなどで確認しましょう。
  2. 宛先の住所:郵便番号の右端に揃え、行頭から1字分のスペースを空けて書き出します。
    縦書きの場合は漢数字を用いるのが一般的ですが、年賀状では「十」は「一〇」、「十一」は「一一」と書くことを覚えておきましょう。横書きの場合は算用数字(アラビア数字)を用います。
  3. 宛名:宛名は年賀状の左右中央に大きめの字で書きます。郵便番号の2枠目の真下の位置が目安になります。1文字分のスペースを空けて書き始めます。
    会社や部署宛てに送るときの敬称は「御中」、担当者や代表者に送るときは「様」が原則です。同じ会社の担当者2名以上に送るときは、それぞれ個別の年賀状を出すのがマナーです。
  4. 年賀の文字:官製の年賀はがき(お年玉つき年賀はがきなど)には印刷されていますが、通常の官製はがきや私製はがきに「年賀」の文字はありません。これらのはがきを使う場合は「年賀」の文字を朱書きしましょう。この文字がないと、通常郵便として扱われ、元旦前に届いてしまいます。
  5. 差出人の住所・氏名:宛名や宛先よりも小さめの字で「会社の所在地・会社名・部署名・役職名(肩書き)・氏名」の順に書きます。ここでは表書きでの書き方をご紹介していますが、年賀状では、裏面の文面の最後に書くことも多いです。その場合でも書き方は同じです。

年賀状の基本構成と書き方【裏書き】

年賀状の裏書きの基本構成を解説していきます。以下の図に記載している5つの要素を理解しましょう。

文章の基本構成に則って慣用句を用いるだけで、年賀状の裏書きは完成します。それぞれの要素は以下の通りです。

書き方①:賀詞

賀詞(がし)とは、祝詞といわれるお祝いの言葉であり、年賀状の書き出しで用いられます。賀詞は目立つように大きく書きましょう。

また、賀詞は漢語調、口語調、英文の3種類に分かれます。以下のような慣用句から選びましょう。

漢語調の賀詞

  • 謹賀新年
  • 恭賀新年
  • 賀正
  • 賀春
  • 迎春
  • 頌春

書き方②:旧年中の交誼へのお礼の言葉(謝辞)

賀詞のつぎは、お世話になった感謝の気持ちを述べます。使いやすい慣用句の例は以下の通りです。

  • 旧年中はたいへんお世話になりました。
  • 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、ありがとうございました。
  • 旧年中は格別のご愛顧を賜り、まことにありがとうございました。
  • 昨年は公私にわたりご懇情を賜り、まことにありがとうございました。
  • 昨年は至らぬ私を親身にご指導いただき、心から感謝しております。
  • 昨年は、私自身が試されるような年になりましたが、懇切なご指導ご鞭撻をいただき、無事に今日を迎えることができました。誠にありがとうございました。

年賀状を出す相手との出来事を思い出して、エピソードを踏まえて表現することにより、より趣のある文章になります。

書き方③:先方の幸せや健康を祈る言葉

年賀状では、先方の幸せや健康を祈る言葉を伝えて締めくくります。

  • 本年がすばらしい年となりますようお祈り申し上げます。
  • 皆様おそろいで幸多き初春をお迎えのことと存じます。
  • あなた様にはご健勝にてご越年あそばされ、何より喜ばしくお祝い申し上げます。
  • ご尊家のご繁栄を心よりお祈りいたしております。
  • 皆様にとりまして本年が平安なお年でありますようお祈り申し上げます。

文章を読んだ相手の気持ちが温かくなるような言葉を心がけましょう!

書き方④:日付

最後に日付を記入します。年賀状の日付は、慣用的な表現を用いることが一般的です。

  • 平成◯年元旦
  • 新春吉日

「元旦」は「1月1日」という意味です。間違えて「1月元旦」と表記してしまう人がいますが、これでは「1月1月1日」という意味になってしまいます。書くときは「元旦」のみにしましょう。

海外に送るには

海外にも年賀状文化はあるの?

はじめにお伝えしましたが、年賀状は日本独自の文化ですが、似た風習は海外にもあります。欧米のキリスト教圏では12月に入るとクリスマスカードを送り合います。

カードにはクリスマスのお祝いと共に新年の挨拶(賀詞)を添えるのが一般的で、日本の年賀状の役割もはたしています。

カードに書くメッセージは”Merry Christmas and a Happy New Year“が定番。ただ、クリスマスは本来キリスト教の祝祭ですから、最近はMerry Christmasの代わりに、宗教を気にせず使える”Happy Holidays”や”Season’s greetings”もよく使われます。

中国や台湾では、旧暦の正月(旧正月)を一年で最も盛大にお祝いします。旧正月前の約1カ月の間にお祝いの言葉を書いたグリーティングカードを送る習慣があります。

海外への年賀状の料金は一律70円!届く日は自分で計算

海外へのはがきの送料は70円。年賀はがきに17円分の切手を足すと世界中に送れます。年賀はがきに貼って使うための海外年賀切手(差額用)も毎年発売されています。

残念ながら日本のように「○○日までに出せば確実に元日に届けてくれる」というサービスはありません。年始頃に届けたいなら、日本郵便の国際郵便に関するページ で「お届け日数表/通常郵便物(航空便)」をチェックし、逆算した日を目安に投函します。はがきの表面のあいているところには、”POST CARD”や”AIR MAIL”と書いておきます。

英語での宛名の書き方

日本と順序が逆で、まず名前を書き、その下に住所を記します。横書きです。

宛名の書き方①:名前の英語表記

個人宛なら「敬称+フルネーム」、夫婦宛なら「Mr. & Mrs.+夫のフルネーム」が基本です。英語のおもな敬称はMr.(男性)、Mrs.(既婚女性)、Miss(未婚女性)、Ms.(既婚か未婚か未定な女性)の4つです。

例 Mr. Taro Fuji (個人) / Mr. & Mrs. Taro Fuji(夫婦)

宛名の書き方②:住所の英語表記

住所は狭い範囲から、つまり番地から先に書きます。「部屋番号(建物名)、番地、町名、市区町村名、都道府県(または州)、郵便番号、国名」と続きます。部屋番号には「#」をつけます。相手が日本語を読める人なら差出人住所は、国名(JAPAN)以外は日本語で書いても構いません。

市の英語表記は、横浜市を例にとると、「Yokohama-shi」「Yokohama-city」「Yokohama」のいずれの表記でもOK。区の場合は、たとえば港区なら「Minato-ku」と記すのが一般的です。都道府県は北海道を除いて省略。シンプルに「Hokkaido(北海道)」「Tokyo(東京都)」「Osaka(大阪府)」と書きます。

今すぐ使える!英文年賀状の挨拶文例集

  • Happy New Year! (あけましておめでとう)
  • Best Wishes for a Happy New Year(すばらしい一年になりますように)
  • I wish you a Happy New Year! (すばらしい一年になりますように)
  • Wishing you a Happy New year! (すばらしい一年になりますように)
  • I wish you all the best in the coming year.(新年が最高のものになりますように)
  • Thank you for your kindness last year.(旧年中はお世話になりました)
  • Thank you for your support last year. (旧年中はお世話になりました)
  • Thank you so much for everything last year.(旧年中は大変お世話になりました)
  • Wishing you and your family health and happiness.(ご家族のご健康とご多幸をお祈りします)
  • I look forward to seeing you in the New Year.(お目にかかるのを楽しみにしています)

まとめ

いかがでしたでしょうか。毎年書くとは言えど一年に一回のことなので、書き方やマナー、忘れがちです。年賀状も書くだけとはいえ、気を付けなければいけないことが結構あるのもですよね。ここで一度おさらいをし、恥じない年賀状を送りましょう。